◆書籍『いのちの授業』
■ 書籍復刊のご案内
助産師からの贈りもの
母と子と家族のための
<いのちの授業>
―「生まれてきてくれて、ありがとう♥」を伝える子育て
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いのちの授業の講演にご参加くださいました方々、
そして、書籍復刊を期待して下さっておられました方々へ。
前略
過日は、いのちの授業にご参加くださいまして、ありがとうございました。授業の内容は、いかがでしたでしょうか。
心が温かくなったと、少しでも感じて下さいましたら、大変うれしく思います。
早速ではございますが、このたび新しい本を刊行することになりましたのでお知らせいたします。以前、学研から刊行した『いのちの授業』(絶版)のリメイク版です。
装丁も刷新し、新たな描き下ろしの文章も加えて生まれ変わりました。ぜひ手に取ってお読みいただければ幸いでございます。
本の中には、全ての世代の方々に、知っておいて頂きたい内容を満載しております。
お子様のおられる方も、お子様はおられない方も、今後赤ちゃんを授かる可能性のある方もない方も、また、孫の世代になった方々も、妊婦さんも・・など。
自分が、なぜ今生きているのか、生まれてきた原点を探る内容になっております。
本の主旨をお知らせする意味で、今回新たに書き加えた「プロローグ」の文章(一部略)を以下にご紹介させていただきます──
<お産の主役は、お母さんと赤ちゃん、そして、その家族です。お母さんとなる女性はどの方も、母となる気概に満ちあふれて、お産に立ち向かっていきます。そして赤ちゃんは、生まれてきた喜びを全身で表すかのように、元気な産声を上げます。何度立ち会っても、その一瞬は、劇的な時間。出産を終えたお母さんが、慈愛に満ちた優しいまなざしでわが子に語りかけるのを見ていると、母と子の強い絆を感じずにはいられません。
ところが、子育てが始まると、いつまでも優しいまなざしではいられません。「泣いてばかりいる」「自分の時間が、すべて奪い取られる」「トイレすら、落ち着いて入れない」。大きくなってくると、「わがまま放題で、ちっとも言うことを聞かない」「よその子はみんなできることが、うちの子だけできない」「そんなことする子に、育ってほしくないのに……」。子育てを楽しいと思えず、イライラ。あどけないわが子に声を荒げる自分自身がいやになり、落ち込むことも多いものです。
お産が終わった直後は、“生きて”生まれてきてくれた子どもの存在に対して、ただ、それだけで有難いと思い、何も要らないと思ったのにも関わらず、泣き叫ぶ子どもを前にしたら、鬼のような形相になってしまっている自分がそこにいる、と感じた方は少なからずおられると思います。
しかし、それは当然のこと。毎日の生活の中で、子どものしつけのためだからと思えば叱りたくもなります。また、親である自分自身がとても疲れた状態の中で、食事の支度や入浴、そして後片付けと、時間に追われれば、余裕などなくなることでしょう。時間との戦い中で、子育てを手伝ってくれる人がいなければ、鬼の形相にならざるを得ないとも思います。私自身も、同様に、助産師という職業にありながら、二重人格かと思われるような変貌ぶりを見せる自分がいましたから。
ただ、そんなイライラの毎日でも、子どもが心底に憎らしいわけではなく、スヤスヤと眠る姿を見ては、「ごめんね」と謝る日々もありました。そして、子どもの生まれた時や小さいときのあどけない笑顔の写真を見ると、何てひどい母親になってしまったのかと深く反省する時もありました。“忘れていた、生まれた時の感動を思い出す”ことで、不思議と子どもへのいらだちが収まる自分がいました。
それがきっかけとなり、<いのちの授業>を始めました。
私が行う<いのちの授業>は、児童と保護者、一緒に参加してもらうのが基本。子どもたちに「命って大事だな」「おなかの中でしっかり育ち、生まれる力を持って出てきた私、すごい!」と感じてもらうのが狙いです。
その一方で、<いのちの授業>に参加した保護者の方からは、
「子どもが生まれた日のこと、鮮明に思い出しました」
「忙しさに追われて、わが子をいとしいと思うことを忘れていました」
「こうしてほしい、こうなってほしいと、目先の要求を子どもに突きつけていたなぁと反省。健康で生まれてくればいいと願ったはずなのに」
といった感想をいただいています。
きっかけさえあれば、わが子が生まれた時の記憶は、たやすくよみがえってくるもの。そして同時に、「元気で生まれてくれたら、ほかには何も望まない」と願った気持ちも、思い出せるのだと感じています。
<いのちの授業>を通して出産を再体験、あるいは疑似体験することで、目の前の子どもの「そのまんま」を愛しく思え、子育てが楽しくなる。
そんなうれしい変化が、多くの方に起こるといいなと、願っています。
この本は<いのちの授業>でお話ししていることを中心に、なぜそのことを授業で話すようになったのか、背景となる私の体験を交えて、授業を掘り下げた内容になっています。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
この本が、子育ての原点を思い出すきっかけになれれば幸いです。>
長くなりましたが、以上のような思いをこめて刊行致します。ご購読、ご推薦等、よろしくお願い申し上げます。
別添えの資料は、今回の新刊チラシです。本の概要と目次、そして購入の仕方まで記載されていますのでご参照いただければ幸いでございます。
皆様の健やかな日々を心から願っております。
また、いつの日かお話させて頂ける日を心待ちにして・・ 草々
2014年6月吉日
寺田恵子